厳しい封建社会、年貢の過酷な取立てに対し生きるために命を投げ打つ覚悟をもって四千とも六千ともいわれる多くの農民が立ち上がった。


藩をゆさぶり一度は年貢の一部免除など、いくつかの要求をのませたものの、最終的には圧倒的な武力によって鎮圧され、51名が処刑された他に類を見ない規模の百姓一揆である。


およそ 280年前、中国山脈の山あい、あまりにも山深いため「山中」と呼ばれた地域において多くの人間ドラマを内在し、静かに語り継がれる、現在に通ずる重要な歴史。

山中(さんちゅう)・・・岡山県真庭北部(旭川上流域)。

木地師(きじし)・・・轆轤(ろくろ)を用いて椀や盆などの木工品を加工、製造する職人。明治初期まで

           は、全国各地で朝廷・幕府の許可を受けた木地師達が、良質な材木を求めて20〜30年

           単位で山中を移住していたという。

たたら・・・山間部の渓流にて砂鉄を採取する人夫。※劇中においての意味。

改易(かいえき)・・・領地などを取り上げること。

国替え(くにがえ)・・・大名の所領変更。

触(ふれ)・・・村が集まった単位。※例:山中三触。

運上銀(うんじょうぎん)・・・商、工、鉱業などの営業者に課した雑税。

状着(じょうちゃく)・・・庄屋に代わって庄屋の仕事をする役。

所払い(ところばらい)・・・居住の町村から追放し、立ち入りを禁止するもの。

惣百姓(そうびゃくしょう)・・・惣村(共同組織、村落)に属する百姓。つまり掟を一にする百姓。